order made |
本日はGさまからのオーダー作品をご紹介させていただきます。
今回はオーダーの際に頂きましたリクエスト<教会>と<ヴィクトリア>をテーマに
素材をセレクト。
それぞれのエッセンスを小さなブーケの世界に閉じ込めてみました。
ブーケのメイン素材には細かく編まれた繊細なレースに
上質なシルクのチュールレースを重ね付けいたしました。
お見せできないのが残念なのですが、こちらのチュールには
大変見事な手編みの刺繍が施されております。
当時の上質なシルクは、まるで手の上で溶けて無くなってしまいそうなほど
柔らかく繊細なのが特徴です。
ポイントにはヴィクトリア時代の教会からイメージを頂き
当時のウエディングに大変ゆかりのあるホニトンボビンをセレクトいたしました。
ホニトンはヴィクトリア女王が最も愛したレースで
1840年のご婚礼の際、お衣装とヴェールにホニトンレースを使われた事で
大変有名なレースです。
イギリス王室の洗礼式の衣装もホニトンを使っているそうですので
王室との繋がりが最も深いレースかと思います。
今回はホニトンボビンの中でも最もベーシックな植物模様が手編みされた
19世紀の付け襟より解体したモチーフを使わせて頂きました。
センターに重ね付けしているホニトンは、より細かい手しごとが印象的な
付け襟の縁の部分より。
ヴィクトリアンのミントリボンに繊細なレース編みが映え
より、レースの繊細な美しさを感じて頂けるかと思います。
ヴィクトリア時代のドール衣装、赤ちゃんや若い女性が身に付けるものに
ミントのリボンを使ったものが多い理由は、
この時代、ミントカラーは幸せの象徴だったからだそうです。
お花部分にはリクエストを頂きました古いコサージュよりブルーの小花と
アンティークのワックスフラワーをセレクトいたしました。
※ブルーの小花のストックは今回で終了となります。
ワックスフラワーはウエディングの花飾りとお揃いで作られた
ブーケより解体いたしました。
ワックスフラワーは他の素材では表現ができない
独特の世界を持っています。
大変希少な素材ではありますが、今後もルトアの作品に使って行きたい
アイテムの一つです。
…………………………………………………………………………
Gさま、もともとアンティークビスクドールへ強い関心があり、
古いものにご興味を持つようになったそうです。
いつも、大変詩的なメールを下さるGさま、
学生時代にドイツ文学を専攻されていたそうで、お伺いした時には
納得の思いでした。
専攻のきっかげが偶然にも先日、私がブログでも触れております
ヴィスコンティ作品で、その中でも<べニスに死す>は最も影響を受けた
作品の一つだったそうです。
ヴィスコンティ以外にも、琴線に触れるものがいくつも重なるGさま。
やり取りを重ねさせて頂く度、目で見えるものだけでなく
心が求めているものが近いことを感じます。
いつの日か直接お会いして、お話出来ることを楽しみにしております。
by yayakoz
| 2011-10-17 14:30
| atelier Re-tourの作品